一番奥に篁くん、真ん中にありさ、それから私。

3人掛けのソファに、並んで座った私達の前に、ありさのお母さんが紅茶を置いていく。


「3人とも同じクラスになったんでしょう?すごく楽しくなりそうね」

ふふっと笑って、切り分けられたパウンドケーキも並べられる。

私もありさも、嬉しそうなありさのお母さんを目の前に、苦笑いを浮かべることしか出来ない。


楽しくなりそう……だなんて、とんでもない。

ありさと一緒なのは嬉しいけど、篁くんと同じクラスなのは嫌で嫌でしょうがない。

今だって本当は、すぐさまこの場から立ち去りたい。同じ空気を吸いたくない。

……なんて、子どもの頃から篁くんを知っているありさのお母さんには、間違っても言えないけど。


このメンバーで、何の話をすればいいのか分からない私は、ただただありさのお母さんに合わせて相槌を打ち、笑顔を浮かべていた。

そして、目の前のパウンドケーキがなくなった頃。