昼休憩に入ったばかり。

騒ついていた教室内が、一瞬にしてしんと静まる。


もともと注目はされていただろうけど、私が大声を出したことにより、みんなこっちを見ていて……。


「〜っ、ちょっとこっち来て!」


ありさに「すぐ戻るから」と言い残して、私は高村蒼空の腕を掴んで外に出た。



教室の中もそうだけど、廊下に出てもジロジロと見られる。

見知らぬ女子達に悔しそうな、憎しみのこもったような目で見られる。

私は何もしていないのに。
迷惑でしかないのに。


全ての元凶は……この人。



「いい加減にしてくれるっ!?」


誰もいない、階段の踊り場まで引っ張ってきて、私は篁くんの腕を乱暴に離した。


放っておけばそのうち飽きられるだろうと思っていたけれど、それより先に私の方が耐えられない。

つきまとわれて3日。
まだ3日だけど、ウザい。ウザすぎる。


「何がしたいの?」

「何が……って、高宮と付き合いたいだけだけど?」

「ふざけないで!」


本当に私のことが好きなわけじゃないことくらい、私にだってわかる。