思いがけない影山くんの助けにより、朝は何とか逃げられた。

だけど、私の席は奴の……篁くんの真ん前。



授業中。背中をトントンと叩かれ、仕方なく振り返ってみれば、


「消しゴム取って」


……たぶん、わざとこっちに落とした。

にっこりと笑った笑顔が、聞かなくてもそれを物語っていて。



背中を叩くのを無視したら無視したで、


「……」


私の机の上に、後ろから紙くずを投げてきて。



お昼になったらなったで、


「おふたりさん、俺もまーぜてっ」


ありさと一緒にお弁当を食べようとしていたところに、半ば強引に乱入。



私は距離を置こうとしているのに、どういうわけか彼の方が近づいてきて……。

1日、2日、そして……3日目。



「――もう!いい加減にしてくれるっ!?」


しびれを切らした私は、机をバンッと力一杯叩いて、とうとう声を荒げた。