すき、きらい、恋わずらい。


「納得してくれた?」

「そんなの……!」


フッと笑う篁くんに、顔を赤くさせて反論しようとする原田さん。


どうでもいい。
とりあえず私を巻き込まないで欲しい。

……って、私も当事者なんだっけ。


もはや他人事のようにそんなことを思いながら、小さく息を吐いた。

そこに、


「あの……お取り込みのところ悪いけど、高宮さんちょっといいかな?」


誰も立ち入れない雰囲気の中、割って声をかけてきたのは、学級委員の影山くん。


「高宮さん、先生に呼ばれてるんだけど……」

「え……あ、うんっ!わかった!」


躊躇いがちに言った影山くんに、私は大きく頷いて、そのまま逃げるように教室を出た。



……ひとまず、助かった。

さっきとは違う。
ホッとして大きく息を吐く。

すると、私の前を歩いていた影山くんが、突然足を止めた。


「ごめん。呼ばれてるっていうの、嘘なんだ」

「え?」

「高宮さん、困ってるみたいだったから」


「迷惑だったかな」と続けられて、私は「ううん」と、首を横に振った。


そっか。助かったんじゃなくて、助けてくれたんだ……。