「それでね、ゆづのことちょっと話しちゃって……」
「うん、っていうのは?」
「男の人が嫌いなこと、とか」
「ああ……」
言いづらそうに口にした、ありさの言葉で何となくわかった。
彼が私に「付き合わない?」なんて、言ってきた理由。
男嫌いなのを知っていて……からかったんだ。
私のことを好きだとは微塵も思えなかったし、あの顔を見て、そんなことじゃないかとは思ったけど……やっぱり、ムカつく。
テーブルの上で、ギュッと握り拳をつくると、
「ご、ごめんねっ」
慌ててありさが謝ってきて、「ううん」と首を横に振った。
私が男嫌いなのはいずれバレてただろうし、ありさを責めるつもりはない。
それに、元はと言えば……。
「でも、ゆづと蒼空って知り合いだったんだね」
ありさの言葉に、ぐっと詰まる。
「知り合いなんかじゃないよ。一方的に絡まれたことがあるだけ」
卒業式のあった、あの日。
音楽室でピアノの演奏の練習をして、帰っている途中、篁くんと、彼とイチャイチャしてる前生徒会長に出会した。



