すき、きらい、恋わずらい。



グンッ。


腕を掴まれ、私の足は強制的に止められた。


驚いて振り返ると、私を引き止めたのは……彼。


「そんな逃げなくてもいいじゃん」


微笑を浮かべて、私を真っ直ぐ見つめるその顔は、息を飲むほどに整っている。

きっと女子はみんな、この容姿の虜になってしまうんだろう。


でも――。



「……混ざる?」



人のことを馬鹿にするようにフッと笑って、彼は言った。


「っ……!!」


その瞬間、私は彼の手を勢いよく振り解き、


パシッ!


彼の頰を引っ叩いた。



「死んでも嫌」



驚く彼をギッと、噛みちぎるくらいに鋭く睨みつけて、私は走り出す。