すき、きらい、恋わずらい。


「……」

パチパチと瞬きを2回。


教室内は一瞬にしてドッとざわつくけれど、誰が何を言っているかまでは耳に入らない。

それよりも……。


俺と……付き合わない……?


頭の中で彼の言葉を繰り返した瞬間、目の前の彼はフッと笑った。


その顔は、あのときと同じ。

1ヶ月ほど前の卒業式の日、私の腕を掴んで、からかうように笑ったあのときと――。


「っ!!」


パチンッと良い音が教室内に響く。

私は反射的にまた、彼の頬を引っ叩いていた。


取り巻きの女子達だろう、「きゃー!」と悲鳴を上げるけど、後悔はしていない。

むしろ、さっきまで謝ろうかと思っていた自分を殴りたい。


「ふざけないでよ」


誰が、あんたなんかと。


私は篁くんを睨みつけて、教室を出て行った。