本当にいつも、沢山助けてもらった。

篁くんと付き合うことになったと報告した時も、「おめでとう」って言ってくれた。


『前にさ、篁くんより僕の方が素敵だって言ってくれたことがあったでしょ? あれ、すごい嬉しかったんだ』

そう言って、笑ってくれた影山くん。

今となっては皮肉みたいになってしまったけど……嘘じゃなかった。


影山くんのこと、すごく素敵な人だと思っている。……今も。



「高宮さん」

歩き出そうとした私に、影山くんが声をかけてきて振り返ると、


「先生、喜んでくれるといいね」


にこりと微笑んで、影山くんが言った。


プレゼントを買いに行ったり、寄せ書きを用意したり、今まで色々と準備してきたけれど……とうとう今日の放課後に、サプライズを決行する。


「うん。さっきのお返しに、いっぱい冷やかしてあげないとね!」


私は満面の笑みを浮かべ、影山くんに返事した。