先生はそんな私の姿に、にたーっと笑ってから、
「初めは意外な組み合わせって思ったけど、仲良いみたいだから。席替えするのちょっと悪いかなって思って」
冷やかすみたいに言ってきた。
増田先生の発言に、周りの先生方もクスクスと笑う。
「っ、大丈夫ですっ! どうぞ席替えしてください!!」
私は恥ずかしさのあまり、大きな声でそう言うと、先生達の苦笑を背中に準備室を後にした。
──先生ってば、からかってくれちゃって!
ため息混じりに「はぁ」と、息をついた私に、
「先生達の間まですっかり公認だね」
やっぱり苦笑しながら声をかけてきたのは、一歩後から出てきた影山くん。
私と篁くんが付き合い出してから、早いもので2週間ほど。
噂はあっという間に生徒の間、そして先生の間にまでも広まっていた。
「全然、嬉しくないけどね」
白い目をして言う私に、影山くんはあははと笑う。
色々とあった影山くんだけど、篁くんと付き合い出した今も、こうして仲良くしてくれている。
同じ学級委員だし、気まずくなるのだけは避けたかったから、変わらず接してくれる影山くんには感謝しかない。