すき、きらい、恋わずらい。



「勝手に決めつけんな、バカ」


呆れた様子でひとこと言い捨てた篁くんに、ごもっともすぎて口ごもる。

人の気持ちなんて変わってしまうものだからと、勝手に決めつけて臆病になっていた自分が、きっと一番愚かでバカだった。

でも……。


「篁くん、ちょっと私にバカって言い過ぎ」

「は? だってバカじゃん」

「っ……」


また言った……と、睨みつけようとすると、


「俺のこと好きとか、バカだろ」


篁くんは小さくそう呟いた。


「俺、マジで高宮に嫌われてると思ってた」

「……」


今まで、睨みつけようが怒鳴りつけようがいつも興味なさげだったのに、ホッとしたように言った篁くんに目を丸くする。


そして……また、見つけた。


「うん、嫌いだった。大、大、大嫌いだった」


篁くんが、男の中で一番嫌いなタイプ。

女の子達はみんな篁くんを好きになるけれど、私だけは恋することなんて、絶対にないと思っていた。


だけど、同じクラスになって。後ろの席で。

一緒に過ごしていくうちに。