私の顔も見ず、そう言い放った篁くん。 そして、
「俺ももう近付かないから」
ひと言、呟くように吐き捨てると、踵を返した。
え……?
もう近付かない……?
そんなの──。
「ま、待って!」
「……!」
さっきまで言葉のひとつも出なかったのに、気付いたら私は篁くんの前に立っていた。
家に入ろうとしていた篁くんは、さっきよりももっと目を丸くして驚いた顔をする。
「みて、いいから……。恋愛対象として見ていいから、近付かないとか言わないで」
震える声で、目の前の篁くんを真っ直ぐ見つめ、告げる。
すると、「は……?」と、篁くんは目を見開いて。
「っ……」
告白じみた発言に恥ずかしくなった私は、視線を逸らした。
ここまで言えば、気持ちはきっと伝わっただろうと思っていた……のに。
「……あいつに何か言われた?」
「え?」
「ありさに、俺と付き合ってやってとか言われたんだろ」
「なっ……!」



