「篁くんっ……!!」
急いでありさの家を飛び出して、私が彼に追いついたのは、玄関のドアを開けて家に入る寸前だった。
「……なに?」
呼び止めた私を見て、一度驚いた顔こそしたものの、篁くんは温度のない声で返事する。
「あ、あのっ……」
一日ぶりに言葉を交わす。
だけど、昨日とは全く違う篁くんの態度。
こういうの、慣れてるといえば慣れてる。
だって、私は初め篁くんに嫌われていたから。
なのに……どうしよう、今は怖い。
昔は何とも思わなかった表情が、今は怖くてたまらない。
自分の気持ちを伝える。
そう決めてきたはずなのに、言葉が続かない。
数歩ぶんの距離を開けて、立ち止まった私。
何も言えずにいると、口を開いたのは篁くんの方だった。
「昨日は……いきなりあんなこと言って悪かった。でも、恋愛対象として見んなっていうなら……もう近づくな」



