初恋……。
そっか、これが初恋なんだ……と、言われて初めて気付く。
確かにこんなの、手に負えない。
もっと別の、影山くんとか何の問題もない人を好きになれば良かったのに……なんて、思うけど。
「結月がこんなに恋愛に臆病になっちゃったのは、お母さんとお父さんのせいだね……。ごめん」
俯いたままの私に、お母さんは謝ってきて。
「どうするかは結月次第だけど、結月のその気持ち、邪魔みたいには思って欲しくないな」
え……。
聞こえてきた言葉に、私はそっと顔を上げる。
すると、目が合ったお母さんは微笑んだ。
「結月がその人のことを好きになったのは、嬉しいことがあったり、その人の良いところを沢山見つけたからでしょ……? それって、とても素敵なことだと思わない?」
「……」
私が篁くんを好きになったのは、篁くんの良いところを沢山見つけたから……?



