結婚……か。
何て書こうと思いながら、みんなのメッセージに目を向ける。
【おめでとうございます! 末永くお幸せに】
【先生もついにゴールインですね♡】
【明るい家庭を築いて下さい。テストは簡単にして下さい。】
当たり前だけど、これからの幸せを疑わない言葉ばかりが並ぶ。
「……」
こんなこと、考えちゃダメだけど……。
本当にこれがゴールなのかな……。
幸せが確約されたようにみんな書いているけれど、そんな保証はどこにもない。
むしろこの先も幸せだと言える人が、どれほどいるんだろう。
ずっと変わらない気持ちで相手を想えている人が、どのくらいいるんだろう……。
「ただいまー!」
ボーッとしてしまっていると、ガチャッとドアが開いた音と同時に声がした。
「あっ、おかえり」
真っ直ぐ見える玄関には、両手に買い物袋を下げて靴を脱ぐ、スーツ姿のお母さん。
「ごめんねー、買い物してたら遅くなっちゃって……」
言いながら冷蔵庫を開け、お母さんは買ってきたものをひとしきり詰め込むと、
「……寄せ書き?」
こっちに歩いてきて、机の上を覗き込んだ。



