すき、きらい、恋わずらい。


英語科準備室に着いて30秒。

影山くんとふたりきりになる私。


「えっと……」

「この辺、座らせてもらおっか」

戸惑う私に対し、影山くんは落ち着いた様子で、先生方の席から少し離れた長机に荷物を置く。

無造作に乗せられていた教材を整え寄せ、机のスペースを空ける影山くん。


そうか……。

お手伝いの内容は、きっと影山くんが既に聞いているんだ。


「うん、それで何をすればいいの?」

てっきり先生も一緒だと思っていたから、びっくりした。

私も机の上にコンビニ袋を置いて、問いかけてみる……と、


「何も。お昼食べるだけだよ」

「え……?」


影山くんの返事に、ポカンと口を開ける。


「高宮さんとふたりでお昼食べたいから、どこか場所下さいって先生に頼んでみたんだ」

「へっ!?」

「大丈夫だよ、取って食べたりしないから」


話が違って、思わず後ずさった私に、影山くんは苦笑しながら続ける。