すき、きらい、恋わずらい。


反射的にぎゅっと目を閉じる私。

引っ叩かれるのを覚悟する……けれど。


「……」

何の痛みも襲ってこなくて、そっと目を開ける。すると、


「暴力はダメだよ」


原田さんの腕を掴んで、止めていたのは……影山くん。


原田さんに笑顔を向けて、「はい」と影山くんは手を降ろさせる。そして、


「先生が手伝って欲しいことあるから、お昼持って来てくれって。大丈夫かな?」


私に向かってそう問いかけてきた。


「え、あ……うん、大丈夫……だけど」


ちらりと、原田さんを気にしながら返事する。

すると、途中で止められた原田さんは、顔を真っ赤にして何か言いたげな顔をしながらも、フンっと私達に背を向けた。


「それじゃあ行こっか」

「うん……」


今だに静まり返ったままの教室。

みんなの視線を浴びながら、私と影山くんは出て行った。