約束の時間は午後6時。
それまでに家のことを済ませておこうと、私は再び1階へと降りた。
掃除に洗濯、それから少し時間があったから、手土産にカップケーキを焼いて。
家を出たのは5時になる少し前。
夕方になると、まだちょっと寒い。
薄手のコートを羽織ってきて良かったと、待ち合わせ場所である駅の改札口前で思った。
電車が到着したんだろう、大勢の人達がぞろぞろと出てくる。
私はつま先立ちになって、その中から待ち合わせ相手を探した。
すると、
「結月!」
私の名前を呼んで、手を大きく振る人。
スーツ姿のその女性に、私も大きく手を振って返事をした。
「お母さん!」



