すき、きらい、恋わずらい。



放り投げるみたいに少し乱暴に、教室の中へと追いやられた私。


「っ……!」

積み上げられた机に背中が当たり、前を見ると後ろ手で戸口を閉める篁くん。

カシャンと小さく聞こえたのは、きっと鍵を締めた音。


「なんで……」

ジリジリとこっちに向かって歩いてくる篁くんに、私は小さく口を開く……けど。


「何で? それはこっちのセリフだし」


あっという間に近付いた篁くんは、私を捕まえるみたいに、後ろにある机の上に両手をついた。


「なにいきなりシカトとかしてんだよ」


すぐ目の前に篁くんの顔。

じっと私を見る彼は眉を寄せ、明らかに怒っている。


「何でって……」

ありさが篁くんのことを好きだから……なんて、言えるわけがない。

黙って私が目を逸らすと、


「昨日、俺のせいで親父と何かあった?」

「……えっ?」

「何か余計なこと言ったかなって思って」


予想外の言葉に驚いて篁くんを見ると、思いつめたような顔。