頑張れ、頑張れ……。
『頑張れ』
心の中で唱えていた自分の声と重なったのは……篁くんの声。
思い出した私は、うつむいて握り拳を見ていた顔をゆっくり上げる。
そして、
「私は父さんのこと……許さない」
目の前に座る父さんをしっかり見据えて、はっきりと告げた。
どんなに謝られても、いくら月日が経っても、お母さんと私を裏切った父さんのことを、絶対に許さない。
だから……。
「再婚なんて許さない……って、言いたいところだけど……」
私は一度、深呼吸するように息を吐く。
「再婚は……私が高校を卒業してからにしてください」
「……」
本当は二十歳まで待ってと言おうかと思った。
だけど2年、縮めてあげる。
父さんのことは許せないけど、私だってずっと引きずりたくはないから……。
ひどく驚いた様子で、目を丸くしていた父さんは、少ししてから目を伏せて「もちろんだ」と、呟いた。



