すき、きらい、恋わずらい。


「ありがとう……」

ありさは目尻を下げ、ゆっくりと頷く。


「あたし、ゆづがいないとダメかも。一緒のクラスで本当に良かった」

「何言ってんの」


もう本当にかわいすぎ。
そんなだから、つい守ってあげたくなっちゃう。

私も顔を綻ばせ、机の横にかけた鞄を取ろうとすると、


「あ、そうだ。ゆづ、今日の夜って空いてる?母さんがご飯一緒にって、言ってたんだけど……」


思い出したように、口を開いたありさ。


「あ、ごめん、今日は……」

「もしかして、お母さん?」

「うん」


説明するより先に当てられて、頷く。すると、ありさはパァッと顔を明るくして。


「そっか、それならうちの方はまたで。良かったね、楽しんできてね!」


まるで自分のことみたいに嬉しそうに言って、送り出してくれた。


そんな私達の様子を、後ろから彼が見ていたことには……気付かなかった。