すき、きらい、恋わずらい。




「……ゆづ!」

ホームルームが終わって、真っ先に駆け寄ってきたありさ。


「ごめんっ!あたしのせいで……!」


さっきこっちを見て、言いたかったことだろう。

薄っすらと涙さえ溜めて謝るありさに、私は「ううん」と、改めて首を横に振る。


「どっちにしろ委員会には入んなきゃならないんだし、別にいいよ」

「でも……」

「本当にいいから。 それより……」


私が忠告しようとした……そのとき、


「蒼空くーん!」


耳に入ってきた、甘ったるい声。

あっという間に女子達が、私の後ろに座る彼の元へと群がる。


「……」

何で私が避けなきゃなんないの……。

そんなことを思いながら、椅子を少し前に引き、私はありさに手招きをした。

そして、


「気をつけた方がいいよ」


そっと耳打ちをする。


こんなこと、改めて言わなくてもわかっているとは思うけど、呼び出しといい、学級委員の押し付けといい、この手の女子達は何をするかわからない。

最も、ありさがっていうより、ありさに近付いてくる篁くんが悪いんだけども……。