すき、きらい、恋わずらい。


***


「なんかあった?」

「え?」

コンビニを出た私達が向かった先は、その近くにあったファミレス。

注文をして、店員さんが遠ざかってから、目の前に座った篁くんが問いかけてきた。


「高宮が俺の誘いに乗るとは思わなかったから。また何か悩んでんのかなって」

「それは……私の方こそ、篁くんに誘われるとは思わなかった」


篁くんの言い方に、何だか気まずくなって目を逸らす。

たけど……ほんのちょっと図星。

今夜、父さんと何をどう話したらいいのか分からなくて。考えるのも嫌で、逃げたかった。

それから……。


「篁くんは……お墓参りとか、ちゃんと行ってるんだね」

「ん?」

「お母さんの……」


こんなこと言うのはどうなんだろう。
そう思いながら、あまりに普通に言うから聞かずにはいられなかった。


「ああ、仕事で親父がなかなか行けないから代わりに」

「なんで……?」


また、まるで当たり前のことのように普通に話す篁くん。

でも、篁くんのお母さんは……。