すき、きらい、恋わずらい。


だって、純粋なありさがあんな不誠実な人と付き合うなんて……って、篁くんはもうむやみやたらに女の子と関係をもつのはやめたんだっけ。

だったら、別にいいのではないかと思う。

ありさはずっと篁くんのことが好きだったんだもん。

親友として、ありさの恋を応援すべき。
ありさのことが大好きだから、ありさが幸せになれるよう、上手くいくといいなって、私も思う……はずなのに。


どうしてだろう、また胸の奥がざわざわする。

さっきまで自分の今の状況にいっぱいいっぱいだったのに、急にふたりのことが頭に浮かぶ。


今、ありさと篁くんは一緒にいるのかな……。

幼なじみだもん。
家も隣だし、普通に考えて一緒に帰る流れになる。

ふたりはどんな話をしているんだろう。
ありさは頑張るって言っていたけど……。


「……気になる?」

「えっ」

「篁くんのことが」


私がパッと顔を上げると、目の前には真面目な顔をして、私を見つめる影山くん。


「ま、まさか。なんで私が……」


まるで全てを見透かすような目に、何故だか私は慌てて目を逸らす。