すき、きらい、恋わずらい。


「影山くん……」

「そろそろ色紙完成させて、みんなに回さなきゃって思うんだけど、高宮さん今日とか大丈夫かな?」


ニコッと笑顔を向けて、私にそう話しかけてきた影山くん。

こうして面と向かって話をするのは、あの日以来。


だから色紙は未完成のままで、私もそろそろやらなくちゃとは思っていた。

だけど……。


「う、うん……」

返事する私の表情は、笑顔を作ろうとして思わず引き攣る。……と、そこに、


「だったら今日は先に帰った方がいいかな……?」


遠慮がちにそう声をかけてきたのは、ありさ。


良かった……!!


「ううんっ……」

「あ、篁くんバイバイ」


ありさに向かって首を横に振ろうとした私に、被さるように篁くんに声をかけたのは影山くん。

見ると、篁くんは自分の席から立ち上がっていて。

「……」

影山くんをじっと見つめた後、フイッと私達に背を向けた。