「え……あ、うん……?」
篁くんの様子にびっくりして、よく分からないまま頷いた私。すると、
「え、なんで高宮さん?……ていうか、今日の蒼空くん、ちょっと変じゃない?」
女子のひとりが、引き攣った顔で問いかける。
「変って?」
「なんか全然笑ってくれないし……」
「は、別に楽しくもねーのに笑えるかよ」
「なっ……!」
頬杖をつき、ため息と一緒に吐き出した篁くんの言葉に、女子達が凍りつく。
だけど、当の篁くんはそんなの関係なしに、
「悪いけど、こういうのももうやめてくれる?」
とても冷めた目をして、取り囲んだ女子達を睨むように見上げた。
急変した篁くんの態度に、私はもちろん周りも動揺を隠せない。
いや、私は篁くんが本当はこんな人だって知っていたけど……でも。
「な、なんで急にそんなこと言うの……?」
泣きそうな声で、誰かが篁くんに尋ねた瞬間。
篁くんは真っ直ぐに私を見て、口を開いた。
「全部、バカらしいと思ったから。近付きたい女くらい、自分で決める」