「え……あ、あたし?」
「そうそう!天崎さんってしっかりしてそうだし、向いてると思いまーす!」
指名されて、目をパチパチさせるありさと、立ち上がって手を挙げ、楽しそうに言うクラスメート。
よく見れば、それはさっきありさを問い質して、睨みつけていたあの女子。
「……って言われてるけど、天崎さんどう?」
「え、あ、えっと……」
先生に訊ねられ、ありさは言葉を詰まらせる。
確かにしっかり者ではあるけれど、控えめで大人しい性格のありさ。
人前に出て話さなければならない学級委員が、向いているとは思えない。
それに、1年の頃にやっていた図書委員をまたやりたいと言っていた。
でも……。
ありさは俯いて、何か考えるように黙り込む。
指名されたのは、きっと嫌がらせ。
篁くんとの関係に嫉妬して、嫌がらせとして指名されただけ。
だから、そんなの断ってしまえばいい……のに。
躊躇いつつも、ありさは顔をゆっくりと上げようとする。
知ってる。
ありさは優しいから、こういうとき――。



