「氷枕と、タオル濡らしてきたから……脇の下とか冷やすといいよ。あと、先生から預かってきたもの、机に置いとくね」

テキパキと、篁くんの身の回りのことをするありさ。


急にありさが入ってきて、びっくりしたからなのか、ドキドキしながらチラッと篁くんを見ると、目と目が合って私はパッと顔を逸らした。


何でこんな……動揺しているの。

胸の鼓動がやけにうるさい意味が分からない。


さっきの篁くんの顔が頭から離れなくて……。

立ち尽くしたまま、何も出来ずにいると、


「それじゃあ、また様子見にくるね」


いつの間にかありさは用事を済ませて、篁くんに微笑んでいた。