熱があって、しんどいんだと思う。

だけど、さっきからやたら冷たくされている気がして……なんか、苦しい。


「私、何かした……?」


篁くんが私のことを嫌いなのは分かっている。私も篁くんが嫌い。

でも……。


「は?」と小さく呟く声と一緒に、篁くんが体を起こしてこっちを向く。


「私だって、わざわざ篁くんのお見舞いになんか来たくなかった」


だけど……ありさのお願いを断れなかったっていうのもあるけど……。


「でも……言いたいことがあったから」

「言いたいこと?」


私を見つめ、怪訝そうな顔をする篁くんに、少し怯みそうになる。

だけど、ここまで言っておいて引き下がるわけにはいかない。


「お母さんと会ったの。それで……父さんのこととか、ちゃんと話せて。お母さんと暮らすことになって……」


私の話を聞きながら、不思議そうに眉を寄せる篁くん。

自分でも何を喋っているんだろうって思う。

私がお母さんと暮らすとかいうのは、篁くんにとって、きっとどうでもいい話。


「えっと、それで、私が言いたかったことは……ありがとう」