「あ……」

「待って」と私が言う前に、パタンと閉められたドア。


私がついて行ったところで手伝うこともないだろうし、本当にすぐ戻ってくるんだろうけど……。

予期せぬタイミングで篁くんとふたりきりになって、少し戸惑う。

でも……。


「……大丈夫?」

篁くんの方へと向き直し、とりあえず問いかけてみる。すると、篁くんはペットボトルから口を離して。


「なに、心配してくれんの? 高宮のことだから、早くくたばれくらい思われてると思った」

「はっ……!?」


フッと鼻で笑って告げられた返事に、少し大きな声を上げる。

確かに、篁くんのことなんて大嫌いだけど、


「そんな酷いこと思わないから!」


くたばれなんて、そんなこと。

私がムッとして答えると、「無理しなくていいから」と、篁くん。


「どうせありさに頼まれたんだろ。戻ってきたら、すぐ帰っていいから」


一方的にそう言うと、ベッドに寝転がって背を向けた。