なんだかんだ言いながら、やっぱり幼なじみなんだな……って、迷うことなく篁くんの部屋へと向かうありさを見て思った。


頭を抱えたまま、ベッドの上に腰掛ける篁くん。

初めて入った彼の部屋は、紺や黒など色味のない家具で形成されていて、いかにも男の子の部屋という感じ。

だけど、とても綺麗に片づけられていて、清潔感が溢れている。

部屋の中だけじゃなく、通り過ぎた廊下なんかも、篁くんとお父さんの男二人暮らしなはずなのに、とても綺麗だった。


「蒼空、何か食べた? ゼリーとかポカリとか、一応買ってきたんだけど……」

ありさの言葉に、私は慌てて持っていたコンビニ袋を広げる。

ここに来る途中、ありさと一緒に色々と買ってきたんだった。


「あー……わるい、じゃあポカリだけちょうだい」

「はい」

私がペットボトルを取り出して、篁くんに手渡すと、


「じゃあ、他のもの冷蔵庫に入れて来るね。あと、氷枕もやり直してくる」

ありさは私の手からコンビニ袋を取って、ベッドの上から氷枕を回収すると、「すぐ戻ってくるね」と、微笑んで出て行った。