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「はぁ……緊張する」

ありさの家のすぐ隣。
篁くんの家の玄関の前で、ありさはため息を吐く。

だけど、一呼吸すると覚悟を決めたようで、チャイムを押した。


ピンポーンと、扉の奥からチャイムの音が響くけど、少ししても応答はない。


「寝ちゃってるかな……」

「かもね」

私とありさは顔を見合わせて、「また後からにしよっか」と、ひとまず撤退しようとした。その時、


『はい……』


ガシャッとインターホンが繋がる音がして、聞こえたのは篁くんの声。


「あっ、蒼空！？ あたし……！ 学校で、先生からの頼まれもの持って来たんだけど……」


ありさが返事すると、そのままインターホンは切れた。そして、扉の内側から誰かが近付いてくる気配。


ガシャンッと、鍵を開ける音と一緒に、飛びを開けて顔を出したのは、篁くん。


マスクをしていて表情はよく分からない。だけど、


「ありさ……と、高宮……？」


私を見た瞬間、目を見開いて驚いたものに変わったのは分かった。