……でも、少し想像してみたら似合うかもと思った。
悔しいけど、顔はとても綺麗だから。
夕陽の差し込む図書室で、本をめくる篁くん……とか、私は何を考えているんだろう。
ていうか、それよりも……。
「ありさが図書委員やってたのって、もしかして……」
「っ……!!」
私が指摘すると、ありさは顔を真っ赤にさせた。
その反応から察するに、図星らしい。
「いや、あのっ、全部が全部そういう理由じゃないんだよ!あたしも読書好きだし!……でも、うん……蒼空も理由のひとつ……かも」
プシューッと、頭の上から湯気が出そうなくらい赤くなったありさは、俯いて白状した。そして、
「も、もうあたしの話はいいじゃん! 早く行こっ! ゆづの帰る時間が遅くなっちゃう」
ありさは逃げるように歩く速度を上げた。
そんなありさを私は追いかけながら、本当に好きなんだなって、改めて思う。
篁くんとの接点を探して、図書委員に入るほど……ずっとずっと、好きだったんだ。
私にはその気持ちが分からなくて、苦しくなる。
どんなに想ったところで、気持ちが通じ合ったところで、いつか心変わりされてしまうかもしれないのに。
そんなに必死に恋する……ありさの気持ちが分からなくて。



