「大丈夫かな……蒼空」
お昼休み。
私の目の前でお弁当を食べていたありさが、思い出したようにぽつりと呟いた。
いつものように、ありさの席に移動しての昼食。
だけど、いつもよりずっと、私達の周りも教室内も静かなのは、篁くんがいないから。
お休みだった。
……季節外れの風邪で。
もしかしたら嘘なんじゃないかと思ってしまった私の前で、心配そうな顔をするありさ。
篁くんのことをよく知るありさがこの反応……ということは、本当に風邪なのかな。
「大丈夫じゃない? 子どもじゃないし、寝てればそのうち治るよ」
「うん……。でも、ほら……お父さんしかいないから……」
「大丈夫かなぁ」ともう一度呟いて、眉を寄せるありさ。
……そっか。
篁くんの家もお父さんしかいないから、きっと看病してくれる人は今いない。
そう言われてみれば、何だか私も気になってくる。
でも、幼なじみのありさならまだしも、私が気にかけたって……。
そんなことを考えていると、