――週明け、月曜日。
いつもより少し遅れて登校してきた私は、何となくドキドキしながら教室を覗き込んだ。
あ……まだ来てない。
私の席の真後ろ。
いつも女子達が取り囲んで騒がしいその席に、今日はまだ誰の姿もない。
本来であればホッとする……ところなんだけど、今日は少し残念なような、微妙な心境になる。
だって……。
「ゆづ、おはよう」
自分の席に着いて、カバンの中身を机に移動させていると、後ろから声をかけて来たのはありさ。
「おはよ……って、今日ちょっと遅くない?」
そういう私も遅れて来たんだけど。
「あ、うん。今日こそは蒼空待ってみようかなって思ったんだけど……」
言いながらチラリ、ありさは私の後ろへと目を向ける。
「まだ来てない……?」
「うん、多分」
もしかしたら学校には来ているのかもしれないけど、荷物がないことから少なくとも教室には来ていない。
「あれ……そっか……」
私の返事に、小さく首を傾げるありさ。
『どうかしたの?』と、私は問いかけてみようとしたけど……。