すき、きらい、恋わずらい。



「お父さんは?どうしてる……?」


立ち上がったお母さんは、プレゼントをラックの上に飾るように置いて。

静かに問いかけられた内容に、背筋がピンと伸びる。


「べつに……変わらないよ」

聞いてくると思った。
だって、いつもだもん。

お母さんが父さんの様子を尋ねるのは、いつものこと。

だから、私はあらかじめ用意していた返事をした。あのことは言わないと決めてきた。

だけど……。


「そっか……」

ひと言呟くように返事して、またテーブルの横へと座り直したお母さん。

何を思っているのか、憂いを秘めたその表情に、胸がぎゅっと苦しくなる。


そんな顔しないで。

そんな顔をされてももう、私は……。
父さんは……。


「結月、どうしたの?」

「えっ……」

声をかけられ顔を上げると、私がお母さんを見ていたはずが、いつの間にかお母さんが私を見ていた。


穏やかに微笑んで、私を見つめるお母さん。

「なにも……」

言いかけて、私は口を閉じる。