すき、きらい、恋わずらい。


「いいのいいの。お母さんが結月に食べさせてあげたかっただけだから」

にこにこ笑顔のお母さん。

「さぁさぁ食べて!お店のには劣っちゃうと思うけど」

お母さんに促され、私は「いただきます」と両手を合わせる。
そして、目の前のハンバーグに箸を入れ口へと運んだ。


「美味しい……」

「ほんと?」

「うんっ!」

とっても懐かしい、優しい味がする。

力強く頷いた私に、お母さんは「やったー」と小さく声に出して喜ぶ。


子どもの私から見てもかわいいお母さん。
料理だって、こんなに上手で。

それなのに……。


「結月? どうかした?」

「う、ううんっ……!」

声をかけられ、ハッとした私は慌てて首を横に振る。

「美味しすぎて感動してた」

「あはっ、結月ったらそれは言い過ぎ」


温かい料理を囲んで、穏やかに過ぎていく時間。

食べ終わった頃にプレゼントを渡すと、嬉しいと言ってとても喜んでくれた。

気に入ってもらえて良かったと、ホッと胸を撫で下ろす……けど。