「それじゃ……」
そのまま私に背を向けようとした篁くんを、
「ま、待って!」
私は咄嗟に呼び止めていた。
当然、足を止め振り返る篁くん。
「っ……」
自分でもどうして呼び止めたりしたのか分からなくて、見つめ返され戸惑う。
とにかく、何か言わなくちゃ。
えっと……。
「篁くんはこんな時間まで、何してたの?」
「べつに、図書室にいただけだけど」
「図書室……?」
間も空けず、あっさりと返ってきた返答に、私はキョトンとする。
だって、篁くんが図書室とか……似合わない。と思ったけど、
あ……そっか。
少し考えてみて、ピンときた。
「また女の子と一緒にいたの……?」
考えついた答えを、何も考えず素直に口に出した。……深い意味なんて、特になく。
だけど、私の問いかけに少し驚いた顔をする篁くん。
そして何を思ったのかそのまま、一歩二歩と私に近付いてきて……。



