「増田先生への色紙、下書きしようと思うんだけど……放課後だと難しい?」
私の反応に、影山くんはまた首を傾げる。
あ、なんだ……そういうこと、か……。
そりゃあそうだよね……。
「う、ううん!大丈夫!放課後なら大体は大丈夫だと思うから……」
一瞬でも自分が考えてしまったことが、恥ずかしい。
影山くんは篁くんとは、全然違うっていうのに。
「良かった。女子の方がそういうのってセンスあるし、字も高宮さんの方が綺麗だし、助かる」
そう言って、ニコッと笑う影山くん。
助かる……って、私だって学級委員なのに。
やっぱり良い人だなぁってジーンとする。
……篁くんも、影山くんを見習えばいいのに。
「じゃあまた声かけさせてもらうね」
「うん、私はいつでも……」
「ありがとう」
昨日のことを、何も聞かれず。
ずっと笑顔で、いつも通り。
あくまで優しい影山くんに、何だか癒されるような、そんな気持ちになった。



