いろんな女の子と関係を持ってるくせに、こういう時に出す話はありさなんだ……。


「なに?」

「あ、ううんっ」

無意識のうちに篁くんの顔を見ていて、私は少し慌てて顔をそらした。

そして流れで、プルタブを開ける。


「……」

飲むシュークリームなんて未知の味で、躊躇しながらも思いきって口をつけた。


……やっぱり甘い。
だけど思っていたより受け入れられる。

ミルクセーキみたいな感じ。


それに……なんだろう。

不本意だけど、この甘ったるさが無性に落ち着くような気がした。


チラッともう一度、今度は気付かれないように篁くんを見る。

これ買ってきてもらったし、一応ありがとうって言うべき?
でも、篁くんにお礼なんて……。


『間もなく、列車がホームに参ります』

ぐるぐるひとり考えていると、聴こえてきたアナウンス。


「そろそろ帰れる?」

「うん……」

私が頷くと、篁くんは立ち上がった。そして、