ひとりで頑張って、バカみたい……って。
「篁くんなんかに私の気持ちなんてっ」
分かるはずがないと、言い放とうとした瞬間、
「ほら」
こっちを向いた篁くんが、何かを私に放り投げた。
「っ、なに……」
反射的に受け取って、両手で包んだものを見る。
缶コーヒー?……じゃ、ない。
「なにこれ……」
……飲む、シュークリーム。
パッケージに書かれた文字を読んで、ポカンと口を開ける。
「今の高宮にお似合いだと思ったから」
「は……?」
「甘そうで」
「……」
甘そう……っていうか、間違いなく甘いやつ。
なに、甘えればいいって、甘いものを飲み食いしろってこと?
意味が分からず隣を見ると、篁くんがプルタブを開けようとする缶には無糖の文字。
「こっちの方がよかった?」
「え、いや……」
ブラックのコーヒーは飲めないから、この二択で言えば、飲むシュークリーム……なんだけど。
「女子ってそういうの好きなんじゃねーの?ありさとかいっつもそんなん飲んでたけど」
「ああ、うん、そうだね……」
ありさは甘党だから、間違いなく好きだと思う。
……って、ふと考えて顔を上げた。



