……なんてことを言ってしまったんだろう。


駅のホームの一番端。

私はベンチに座って、小さくため息をついた。


日曜の昼間ということもあって、改札口から離れたこの場所に来る人は、ほとんどいない。

泣きじゃくってしまった私は、電車をわざと何本か見送って……。



「ちょっとは落ち着いた?」


聞こえた声にビクッとして、俯いていた顔を上げる。

すると、こっちに向かって歩いてきたのは……篁くん。


あの後「目立つから」と、私の腕を引いてここまで連れてきてくれたのは、他でもない篁くんだった。

「どうしたらいい?」と、大泣きしながら問いかけた……あの後。


思い出すだけで顔がカアッと熱くなる。

本当になんてことを言ってしまったんだろう。


恥ずかしさから返事が出来ず、黙ったまま目をそらす私。

すると篁くんは、そのまま私の横に腰かけた。


「……」

風に当たって少し冷静になってみれば、すごくすごく気まずい。