日が沈みかけ、電気も点けず暗くなったリビング。


ソファではなく、床にぺたんと座り込んだお母さんは、学校から帰ってきた私に気付き、顔を上げた。



真っ赤に泣き腫らした目。

私に無理やり微笑んで。



「お母さんとお父さんね、離婚することにしたの……」



震える声でそう告げ、涙をこぼした。


いつも笑っていたお母さんが、鳴咽するほど泣いていた。



あの時のことを、今でも忘れない。

ずっとずっと……きっと一生、忘れられない。