「お腹すいたねー」

「お昼にしよっか。何が食べたい?」

そんな会話をぽつりぽつりとしながら、私達はレストランコートへと向かう。

自然と私とありさが前を歩いて、その後ろに影山くんと篁くん。


「そういえばさ、改装中だったあそこ、オムライス専門店がオープンしたらしいよ」

「へー、そうなんだ。だったらそこ行ってみる?」

「うん! 行ってみたい!」

私の問いかけに、目を輝かせて頷くありさ。

オムライスはありさの大好物。

素直なその様子にクスッと微笑んでから、


「ね、新しく出来たオムライス専門店に行ってみたいって話になったんだけど……」

私は男子ふたりの意見も聞いてみようと、後ろを振り返った。すると、


「僕は何でもいいよ」

「俺も。合わせる」


ふたりとも特に異議はないようで、

「それじゃ……」

「オムライス専門店で決まり!」と、話をまとめようとしたとき。



「結月……?」


私の名前を、誰かが呼んだ。