そして、あっという間に日曜日。
私は歩いて、待ち合わせ場所の駅へと向かった。

服装はというと、黒の襟付きニットに、膝より少し長いキャメルのフレアスカート。

髪はシュシュで緩く、サイドにひとまとめにしてみた。

とくに気合を入れたつもりもない、いつもの休日と変わらない私服……なのだけど。


「高宮さん!」

約束の10時半。
駅の構内に入ってすぐ、声をかけてきたのは影山くん。


「ちょうど見つけられて良かった!」

そう言って駆け寄ってきた影山くんは、私の姿をまじまじと見て。


「私服、かわいいね」


少し頰を赤く染め、照れくさそうに笑って言った。


「え、あ……ありがとう」

私は戸惑いつつ、俯いて返事する。


かわいい、なんて言われると思わなかった。
しかも、影山くんに。

どちらかと言えば、そういうことに疎いタイプだと思っていたのに、時々びっくりすることを言ってくる。


思いがけない不意打ちに、少しドキドキしてしまっていると、


「高宮さんひとりで来たの? 天崎さん達は?」

「あ、うん。ありさはまだ……」


すり替わった話題にホッとして、ありさに連絡してみようと、スマホを取り出そうとした。

だけど、