「うん、どうしたの?」
私はサンドイッチを机の上に置いて、瀬良さんの方を向く。
遠足の件では、とても迷惑をかけてしまった瀬良さんだけど、あの後謝りに行くと「気にしないで」と、笑って言ってくれた。
ほんと、瀬良さんが同じ班で良かったと思う。
もし、篁くんの取り巻き……原田さんだったりしたら……。
チラッと何気なしに彼女の方を見ると、敵意を露わに睨まれた。
今は篁くんは教室にいなくて、一緒にいないというのに。
改めて瀬良さんを見ると、
「あのね、先生もうすぐ結婚するでしょ? それで、クラスのみんなで何かプレゼントとか出来たらと思って……」
「それ、素敵!」
瀬良さんの提案に大きく頷いたのは、ありさ。
担任の増田先生が結婚することは、今週始めのホームルームで報告されたばかり。
「わたし達、1年の時も増田先生が担任だったけど、すごく良い先生だから」
「うん、そうだね」
それは素直に頷ける。
まだ若いっていうのもあるだろうけど、嫌味もなく良い先生だと思う。
遠足の時のこともそうだけど、むやみやたらに怒ったりしないし。
クラスのみんなも、増田先生のことは好きそうだから、提案に乗ってくれそう……。