***


「……で、こんな時間までふたりで何をしてたの?」

「寝てました」

「なっ……!?」


笑顔で答えた篁くんに、何を想像したのか顔を真っ赤にさせるおばさ……いや、副担任の山本先生。

50を過ぎても未婚で、あふれ出すその雰囲気から、「お局さま」だなんて生徒達からも呼ばれている。

実際、目ざとく口うるさい性格で、それを生かしてなのか何なのか、生徒指導部の先生でもある。


「あなた達の身勝手な行動が、どれだけ多くの人を困らせたか分かっているの!?」

「はい……すみません」


みんなを乗せたバスの横で、半ばヒステリックに叫んでお説教する先生に、私は素直に頭を下げる。

若干誤解されている部分があるような気もするけれど、クラスのみんなを困らせてしまったのは事実。


私達が行った時には、もちろんだけど全員集合していて待っていた。

遊園地を出発する時刻が私達のせいで遅れていることは、言うまでもない。