駅のホームでも、電車の中でも、繁華街でも、仲よさそうに肩を寄せ合うカップルに目がいってしまう。
あたしだって幸せなはずなのに、彼女たちを見るとへこんでしまう。
このまま会社に行くと、また泉に対する罪悪感と戦うのだな。とか、瀬川さんが来たらどうしようなんて考えてしまって。
それらが恐怖となってあたしにのしかかってきて。
おもむろに携帯を取り出し、電話をかけていた。
そして、電話に出た後輩に伝えていた。
「今日は体調が悪いので……お休みします」
あたしはこうして、初めて会社をさぼった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…