「俺は基本図太いから、ドラムが叩けねぇとか、料理が出来ねぇとか、そんなことではないけどな。 やっぱり思い通りにいかないことはある」 「そうなんですね……」 「俺はそれだけで焦ったりするのに、遥希は辛いだろうな」 藤井さんはそう言いながら、食材を次々とエコバッグから出していった。 玉ねぎや牛肉などの見慣れたもののほか、見慣れないお洒落素材があったりする。 藤井さんは、本当に料理のセンスがいい。