陸さんはにこりともせず、あたしに言う。




「あいつ、すげぇ精神的にキてるだろうから」





そんな陸さんに何て返したらいいのか分からなくて、黙ってしまうあたし。

そんなあたしを鼻で笑い、陸さんはスタジオから出ていこうとした。





陸さんが分からない。

あたしが嫌いなんじゃないの?

遥希と別れて欲しいんじゃないの?

そんな疑問が頭を無限ループする。

そしてとうとう、あたしは口を開いていた。




「陸さんは……あたしが憎くないんですか?」