身を起こした遥希は、黙って腕にサポーターを付ける。

遥希の身体には、度重なる激しいパフォーマンスによるダメージが来ているんだろう。

そう思ったが……





「かっこ悪いこと吐いていいか?」




サポーターの上からシャツを羽織り、遥希が言う。




「出来なくなった」



「……え?」



「バク転とか諸々。

一切出来なくなった」



「えぇ!?」




あたしは暗闇の中、遥希をぽかーんと見ていた。